2022.03.28

新しい桜

ソメイヨシノとは違う、ほんの少しピンク色がかった桜。
植木屋さんの友人に訊いてみたら、ジンダイアケボノだと思うということでした。

病気に弱いソメイヨシノはいずれ植え替えられて、桜並木はいつか今よりも少しピンク色になる。

ソメイヨシノの淡い桜色は好きだけれど、それ以上に私が好きなのはその咲き方です。
掌に収まるくらいの丸い小さな花の塊がいくつも枝につき、
風が吹くとその花の塊の重さを確かめるように、たわむように揺れる枝。
そこはジンダイアケボノは違うなあと思います。

でも、いつかソメイヨシノがジンダイアケボノに代わって、
少し可愛らしく温かいような桜の下を歩きたいとも思います。
生きているうちにそんなことができるとは思いませんが。

変わっていくのはそんなに嫌なことではない。
ずいぶん前に母と歩いていた時、街の変化を「変わっちゃった」と繰り返し嘆くのを聞いて、
自分だって大きな変化の最前線で皆と生きているくせに、と思いました。

変わらないことを信じて生きているよりも、変わっていくことを受け入れて生きていく方が、
穏やかな気持ちでいられるような気がします。私はね。