2021.03.18
陶の「びわ」は今回の作品の中で一番好きなものです。
ビワの木も葉も花も実もビワという音も好き。
まどさんの詩に寄り添って、筒にろばの顔を描きました。
窯の蓋を開けた時、ろばさんの優しいお顔が上手く焼けていて、全身の力が抜けてしまうほどほっとして嬉しかったです。
ビワの実は本物のビワの実というよりも、「あ、びわの実!」という小さな嬉しさを見ている人が感じられるように、透明感のある明るい「愛されるオレンジ色」を探しました。
余計な話ですが、「オブジェクト選び」という言葉をよく目にします。
私はその言葉がぴんときません。ワークショップのための言葉ではないかと思います。
作家はその万華鏡のためにオブジェクトを作ります。
「びわ」には4粒のオレンジ色の実を入れています。
そのガラスのビワの実が、見ている人の気持ちを踏みにじってしまうことのないように、
たくさんのガラスを溶かしながら、辿り着いたオレンジ色です。
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