2020.06.07

片隅20

今日の散歩。
小さいな森も林も少し飽きてきたので、国際版画美術館のある芹ヶ谷公園に行きました。

ずいぶん前のことですが、ある人と一緒にこの美術館に来たことがあり、
公園の中を歩きながらその時のことを思い出していました。
その人は荷物が少ない人で、基本的に手ぶらで、仕方なく荷物がある時は紙袋に入れて、
用が済んだら紙袋ごとゴミ箱に捨てると言っていました。
その日は鞄を持っていたので何が入っているのかと尋ねると、折り畳み傘を出して見せてくれました。

その人のことを考えると、私はたいてい一人で笑っているのですが、
今日は少し悲しいような気持になりました。
きっとあちらに行くときも、いつものように何も持たずに何でもないような様子で、
ふらっと行ってしまうんだろうな。
私に知らせてくれる人はいないだろうから、きっと知らないうちに行ってしまうんだろうな。

なにか、合図をくれないだろうか。
いつものように、私が笑ってしまう、ばかばかしい合図を。
誰にもわからないように、こっそり送ってくれないだろうか。