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2019.07.27

ノラニンジン

三井さんの車で北海道を走っていたら、至る所に白いレースのような花が咲いていました。
ノラニンジン。ヨーロッパ原産の帰化植物。

その光景を眺めながら、私はセイタカアワダチソウのことを思っていました。
セイタカアワダチソウはたぶん一番知られた外来植物で、昭和40年代からその爆発的な増え方で、
厄介者として問題になっていました。
私は昭和32年に東京の端っこ町田市で生まれ育ちました。
私が住んでいたあたりは、都会でもなく田園地帯でもなく、
田んぼが潰されて道路や住宅地に変わっていく様子をずっと見てきました。
原っぱや空き地や線路際の斜面に、セイタカアワダチソウが繁茂している様子はとても当たり前の景色でした。
懐かしい、と言ってもいい。
アレロパシーという、他の植物を弱らせる力が自分自身をも衰退させて、
あんなに勢力を振るっていたセイタカアワダチソウは今は随分少なくなっていますが。

そんなこともあって私は、特別な場所を除いては、外来植物が蔓延るのは仕方がないことと思っています。在来種を守るためと言って、必死に外来種を引っこ抜いているのを見ると、違和感を感じてすっと気持ちが引いてしまいます。

もちろん私の気持ちがそうだというだけで、なにが正しいのかは私にはわかりません。

ノラニンジンの咲く北海道の夏は、これからどんなふうになっていくのかな。
その景色はそこで育つ子供たちの中でどんなふうに生きていくのかな。
そんなふうに思ったのでした。

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