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2017.10.22

土の上の小さい花

足元の土に咲く青い草の花。
磁叟庵に。

小池真理子の幻想怪奇小説集が集英社文庫から発売されて、
「怪談」「夜は満ちる」と読み、今「水無月の墓」を読んでいるところ。
恐がりだし、ほとんどの時間を一人で過ごしているので、
幽霊とか怖い話はできるだけ遠ざけて置きたい気持ちが強いのだけれど、
この三冊はそういう怖さは感じない。
生者と死者の世界の境目が曖昧で、死者が懐かしい思いを抱いて生者の世界にするっと入ってきたりする。
私が怖いと思ったのは、死者が自分が死んでいることに気づくところ。
その瞬間の死者の驚きと悲しみ。
それが、我がことのように感じられて、
「うらめしや」的な生者の側から感じる恐怖よりも、
切なくて悲しく怖かった。

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