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2016.04.13

ウマノスズクサ

林の中を二匹の鹿がぴょんぴょんと駆け下りていくのを、
バスの窓から一瞬見た時、
「ウマノスズクサ」という言葉が頭に浮かんだ。

鹿とその草とは何の関係もなく、姿も何も似ていない。
思い出もなく、もう何年も思い出すこともなかった名前。
ただその音が、響きが好きだった。だから?
体の暗いところから、あるいは霧の中から、
意味を離れ唐突に意識の中に上ってきた。
たとえば「かわいい」なんていう言葉より速いスピードで、
私の中を駆け上がってきた。その速さにたじろいだ。

名前というのは、言葉だろうか。
(私はそんなことがわからなくなっている)
言葉は、音は、一人の人間の中におとなしくしていることなんかできない、
そういう暴れん坊?なんだと思った。

上手く言えてないなぁ。
言えるわけないんだ。いいんだ。今日はここまで。