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2015.09.05

ツルボ

公園の師匠に教えてもらうことは、いっぱいある。
「いっぱい」は数ではなくて量。
師匠は小学2年男子。 名前は知らない。

夏休みが終わってうっすらと秋が来て、
また日暮れまで師匠の声が響き、
ぱっと静かになり暮れていく日々。

大きなバケツを持って公園に行こう。
師匠に教えてもらったように、砂場を越えて流れる川を作ろう。
そんなことを思いながら花水木の木を見上げていると、
師匠は走ってきてくるりと半回転しながら私の顔をちらっと見て、
走っていく。

師匠が私にくれるものはいっぱいある。
私からのお返しは何もないけど、
砂場の向こうにツルボがたくさん咲いているよ。
今だけ、ピンク色のツルボが咲いているんだよ。
そんなもの、若い人は興味ないね。

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